爽やかな朝日曜の朝。窓を誰かが叩く音で目覚めた。 俺はベットから起き上がりカーテンを開けた。 …カピバラがいた。 じっと、こちらを無表情でみている。 口だけはいそがしそうに動いていた。 「おはよう、バカビッチ!」 会ったこともない彼に、あいさつと、名前をつけてやった。 「ぶち殺す…」 彼が言った。 「朝からぶっそうだな、こいつぅうう!」 と、笑いながら彼の額にデコピンを叩きこんでやった。 「ブヒー!」 彼はそこら中転げ回り、苦しんだ。 ひととうり転げ回った後、また言った。 「ぶち殺す…」 相変わらず無表情だが、口は止まっていた。 「強がりはよせよ!バカスッテ!」 俺は嬉しくなって、彼にレコードを聞かせたくなった。 「天地真理の「一人じゃないの」とフィンガー5の「個人授業」どっちがいい?」 彼に尋ねた。 「…ドリフのズンドコ節」 彼が言った。 「え!お前もなかなか通だな!」 俺は超最高に嬉しくなって、 「ようし!今日は気分が良いので、特別に俺が唄っててやろう!」 ベースギターで「ブンブンブン蜂が飛ぶ」を弾いて、唄った。 「…ぶち殺す」 案の定、彼の血管はブチブチと三本は切れた。 《ピンポ~ン》 玄関に誰か来た。 「ブタバレス!お客だ。もう帰れ、また遊ぼう」 ピシャ!とカーテンと窓を閉めた。 「は~い、今行きま~す」 俺はスキップをして、玄関の戸を開けた。 「どこんばんは~!」 糖尿で苦しんでいる、爆ちゃんが来た。 「どうしたんだ?こんな朝早く。確か、病院に入院しているんじゃ…」 「いやあ~近所をゾンビの様に徘徊していたら、聞き覚えのある歌声が聞こえてくるじゃない。それでちょと寄ったのよ♪」 爆ちゃんは、ニューハーフ。 「でも、よく病院を抜けだせたな」 彼(爆ちゃん)は外出を禁止させられていた。 「そうなのよ~やっとよ!院長先生の大事にしている大イグアナに乗ってこっそりと…」 「ギャゴーン!」「ガビッ~!」 「?…」 裏庭で大イグアナとカピバラが戦っていた。 イグアナのパンチがカピバラの股間にヒット! 彼(カピバラ)は悶どりうって、さっきと同じように庭を転げ回っていた。 しかし、カピバラはそのまんま転がりながら、イグアナに体当りして反撃した。 「やめなさい!あんた達!」 爆ちゃんが止めに入ったが、カピバラに「ぶち殺す」と言われ切れた! 持っていたハンドバッグをブンブン振り回して参戦した。 三つ巴の戦いはいつ果てるともなく続いて、早朝の日曜は爽やかに始まった。 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|