076805 ランダム
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`∀´)ニヒヒヒ…

`∀´)ニヒヒヒ…

爽やかな朝

日曜の朝。

窓を誰かが叩く音で目覚めた。

俺はベットから起き上がりカーテンを開けた。

…カピバラがいた。

じっと、こちらを無表情でみている。

口だけはいそがしそうに動いていた。

「おはよう、バカビッチ!」

会ったこともない彼に、あいさつと、名前をつけてやった。

「ぶち殺す…」

彼が言った。

「朝からぶっそうだな、こいつぅうう!」

と、笑いながら彼の額にデコピンを叩きこんでやった。

「ブヒー!」

彼はそこら中転げ回り、苦しんだ。

ひととうり転げ回った後、また言った。

「ぶち殺す…」

相変わらず無表情だが、口は止まっていた。

「強がりはよせよ!バカスッテ!」

俺は嬉しくなって、彼にレコードを聞かせたくなった。

「天地真理の「一人じゃないの」とフィンガー5の「個人授業」どっちがいい?」

彼に尋ねた。

「…ドリフのズンドコ節」

彼が言った。

「え!お前もなかなか通だな!」

俺は超最高に嬉しくなって、

「ようし!今日は気分が良いので、特別に俺が唄っててやろう!」

ベースギターで「ブンブンブン蜂が飛ぶ」を弾いて、唄った。

「…ぶち殺す」

案の定、彼の血管はブチブチと三本は切れた。


 《ピンポ~ン》

玄関に誰か来た。

「ブタバレス!お客だ。もう帰れ、また遊ぼう」

ピシャ!とカーテンと窓を閉めた。

「は~い、今行きま~す」

俺はスキップをして、玄関の戸を開けた。

「どこんばんは~!」

糖尿で苦しんでいる、爆ちゃんが来た。

「どうしたんだ?こんな朝早く。確か、病院に入院しているんじゃ…」

「いやあ~近所をゾンビの様に徘徊していたら、聞き覚えのある歌声が聞こえてくるじゃない。それでちょと寄ったのよ♪」

爆ちゃんは、ニューハーフ。

「でも、よく病院を抜けだせたな」

彼(爆ちゃん)は外出を禁止させられていた。

「そうなのよ~やっとよ!院長先生の大事にしている大イグアナに乗ってこっそりと…」

「ギャゴーン!」「ガビッ~!」

「?…」

裏庭で大イグアナとカピバラが戦っていた。

イグアナのパンチがカピバラの股間にヒット!

彼(カピバラ)は悶どりうって、さっきと同じように庭を転げ回っていた。

しかし、カピバラはそのまんま転がりながら、イグアナに体当りして反撃した。

「やめなさい!あんた達!」

爆ちゃんが止めに入ったが、カピバラに「ぶち殺す」と言われ切れた!

持っていたハンドバッグをブンブン振り回して参戦した。

三つ巴の戦いはいつ果てるともなく続いて、早朝の日曜は爽やかに始まった。


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